幼稚園で、羊飼いの笛と幼児教育のことを考えました。
サラリーマンを定年後、幼稚園の先生になったアラカン女子メカジキが、日々の暮らしをあれこれ書いてます(自己紹介→★)
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羊飼いはどうやって笛一本で数百頭の羊をまとめて連れて帰れるのか?
昔から不思議に思っていました。
笛で牧羊犬に指示を出しているという説も見ましたが、牧羊犬だって1匹~数匹です。
ワンワン吠えながら羊の群れの周囲を走りまわって追い立てるのも限度がありそう。
勤め先の幼稚園で、少し謎が解けました。
うちの幼稚園、広い園庭でてんでに遊んでいる子どもたちを教室へ呼び集めるとき、担任の先生が笛を吹きます。
先生によって(クラスによって)、笛がリコーダーだったり鳩笛だったり、メロディもそれぞれ違います。
ピロピロピー(マグマ大使の曲のイメージ、人間が古いので)
朝の会やお弁当の時間になると担任の先生が笛が鳴って、その音を聞いたそのクラスの子だけが、遊んでいてもわらわらと教室めがけて走っていきます。
みごとというか、最初びっくり。
もちろん中には遊びに夢中で笛の音に気づかない、あるいはわかってても遊んでいる子がいて、そういう子はパートの先生が声をかけて回収します。
担任の先生、パート先生、子どもたち=羊飼い、牧羊犬、羊の群れ、という図式です。
人間と暮らすことに慣れた羊たちは、羊飼いに従ったほうがオオカミに襲われないとかエサがあるところに連れて行ってもらえると知っているから、笛の音だけで羊飼いについていくのですね。
ここまで書いて、自分だって学校のチャイムの音で教室に入ったり、掃除を始めたりしてたことに気づきました。
教育(社会化)と家畜化って本質いっしょか、と苦笑い。
家畜化と同じじゃまずかろうと思うなら、自分の頭で考えて表現する、行動を起こす、という違いを作らないといけない。
幼児教育、奥が深いです。