主治医の「全摘」という方針に対して、「温存じゃダメ?」と反論しました。
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お医者さんに反論するのは勇気が要ります。
でも、いまどきの医療は「先生にお任せします」ではないようです。
乳がんのことをいろいろ調べた中で、聖マリアンナ医科大の津川先生の言葉が響きました。
「大切なのは、患者自身が何を重視しているのかをよく見極めて治療を選択すること。それを手助けするのが医師の役割。」
こういう考え方を「SDM:Shared decision making(シェアード・ディシジョン・メイキング)」というそうです。
お医者さんと患者が、エビデンス(科学的な根拠)を共有して、一緒に治療方針を決定することです。
がんは完全に治ったといいづらい病気で、メカジキのように10年以上たってまた新たにがんが出てくることもあります。
今のがんは死ぬ病気ではなく、一生つきあっていく病気です。
お医者さんは治療の専門家であっても、患者の人生をまるごと面倒見てくれるわけではありません。
患者自身が、自分の価値観や人生の優先順位を考えて主張しないといけないんですね。
まず、自分がどうしたいか、です。
13年前の乳がんのときに、前の主治医から「患者さんも勉強してください」と言われました。
今はなんでもネットで見られるので、日本乳癌学会の乳癌診療ガイドラインを一生懸命読みました。
ガイドラインでは、遺伝性乳がんについて以下のように書いてあります。
「BRCA遺伝子変異を有する女性には乳房温存手術が可能であっても,患者が乳房温存手術を強く希望する場合以外は,乳房全切除術を行うことを弱く推奨する。〔推奨の強さ:2,エビデンスの強さ:とても弱い〕」
何がなんでも全摘ではない、なら他の選択肢も検討したい。
自分の優先順位は「きもちよく運動を続けたい」、希望は「もし全摘で運動しづらくなるなら、温存したい」です。
主治医の先生、ちゃんと話しを聞いた上で答えてくれました。
「リンパ節を取らなければ(現時点では取らない予定)、運動機能は損なわれない」
「温存しても生存率に差はないが、再発した場合は抗がん剤も含めて治療は負担になる」
運動できる、バタフライも幼稚園もできる、とおっしゃいます。
ほんと?ぜったい?うーん、どうしようか?
いずれにせよ遺伝子検査の結果まで2~3週間かかるので、しばらく考えることにしました。