本田秀夫さんの本「子どもの発達障害」を読みました。
アラカン女子メカジキが、女子の定年後の暮らしをあれこれ書いてます(自己紹介→★)
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本田秀夫さんの本「子どもの発達障害 子育てで大切なこと、やってはいけないこと」を読みました。
発達障害とは、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、学習障害など複数の障害の総称です。
本田さんはこの本の前書きで、次のように書いています。
『「親の都合」を手放して、「子どもの都合」で子育てをすると、親はとたんに楽になります。』
ほんま、そのとおりやなあ。
定年後に幼稚園に勤めるようになってから、そう思いました。
うちの幼稚園は、発達障害のある子ども、あるいは発達障害グレーゾーンの子どもを積極的に受け入れています。
各学年に何人かいる発達障害の子は、遊びに誘ってもひとりでずっと地面に絵を描いている、みんなが集まる場面でぴゅーっとどこかに行ってしまう、思いをうまく言葉にできずに友だちを叩いたり噛んだりする、などの特徴があります。
勤め始めたばかりのころは、そういう子は手を引っぱってでも集まる場所に連れていかねば、ぎゅっと抱っこしてでもじっとさせておかねばと、と大人の都合に合わせようと空回りしました。
園長先生に怒られました。
「やりたいようにやらせておきなさい。彼には彼なりの事情があるんだから。」
うちの幼稚園では、「朝の会に行くよ」「いっしょに座って見ようね」など声掛けはしますが、本人がやりたがらないことを無理やりやらせることはありません。
癇癪を起してワーワー泣きながら友だちを叩いたときは、友だちに「ごめんね。Nくんは気持ちをうまく言葉にできなくて困ってるんだよ。かまわずに、ちょっと離れていてね。」と話して、周囲に理解を求めます。
ただし、友だちを噛んだりしたときは「噛むのはぜったいだめ」と本人の目を見て言い聞かせます。
どんな子どもにもその子なりの思いや家族の背景があって、その子なりの事情で行動しています。
無理やり大人の都合に合わせたりせず、周りがすこし理解すれば、さして問題はないんです。
そして、どんな子どももその子なりのペースでちゃんと成長していきます。
自分が仕事と子育てで必死になって、イライラしていたときにこのことを知ってれば、と60才をすぎたバアサン先生は思いました。
発達障害のある子の親ごさん、そうでない子の親ごさんにもおススメの本です。
本田さんの本で印象に残ったポイント。
・発達障害の子に世間一般の基準に合わせることを求めて、無理をさせない。できるだけ周りの環境を調整する。
・学習より生活習慣を身につけさせ、社会のルールを守れるようにすると、生活上の支障が減る。
・行動特性そのものは消えないが、生活上の支障は軽減できる。#グレーとは白ではなくて薄い黒